気づきと観察

もともとは自分の不節制により体調不良になり、サラリーマンをしている時によく整体、鍼灸などにいっておりました。その中で、均整に出会い自分の体が改善しました。

偶然にもその均整の先生が現在の師匠の師匠であったことが、面接時に知り驚きました。そして、自分もこのような技術を覚え、開業したいと考えるようになりました。

子供のころから体も弱くなんとか改善したいと整体ほか健康関連、心理学などに関連する本をよく読んでおりました。自分自身の考え、また体験として肉体と心はつながっており、いくら体の不調を改善しても心が変らなければ改善しないと思うようになりました。

そのため整体ではありますが、体ばかりでなく心からアプローチをする、重視をする治療をしている人物、かつ自分の感覚的な話で申し訳ないのですが、心へスッと入るような治療をしているそんな治療家はいないかと、そんな都合のいいわがままな考えを求め再度本を読みあさり、勉強ができる治療院を探していたおりに立石先生にお会いしました。

さて、この塾で学ぶことは立石先生の治療、観察、患者さんとの会話、つまり先生自身のことかなと思います。私にとってはこれにつきました。学ぶとは真似ることが最初の一歩であると思ってスタートから卒業までを過ごしました。

前半の塾では呼吸法からスタートをし、均整法をベースに施術の基礎を教わります。私は、開業を最初から考えておりましたので、その後臨床へと進みました。

この臨床におき最も大事な事は気づき、観察であると私は思いました。先生の施術は、易や心理学的な方向からも行います。一般に施術する上で、技術により痛み、だるさを取り除くことはもちろんですがしかしそれだけでは根治は難しいのが現状です。

また本来人間の体とは外部からの侵入者にたいして拒否するようにできております。

それは、体だけでしょうか。考え方など心の在り方にしても同じことがいえるのではないかと思います。

施術側が技術、技術に偏ると大事な心を忘れ、それは患者さんを苦しめます。こちら側がこうしてやる、あぁしてやると思うのでなく、患者さんの心がこうなりたい、あぁなりたいとなる、つまりポジティブな考え方になるようにベクトルをもっていく、そんな治療をしている立石先生を常に観察するのが臨床時の私にとっての勉強でした。

時に臨床時、先生はこちらの質問に対してユーモアも交えながらポジティブかつ自発的に答えを見つけるような返答をします。その返答は、なぜもっと具体的に言わないのかと思うときもありました。しかし、それは教えてもらうだけでは駄目であり自分で答えをみつけ、頭だけでなく心からスッと入るように頭、心にも入りこませるようにしてくれているのだと気づきました。

それが私にとっては最高の教えであり、観察の答えでありました。それに気付かせてくれた先生に感謝です。気づきと観察、これが治療におき最大の急処かと私は思います。日々、このことを基本としてこれからも治療を行っていきたいと思っております。

鈴木 秀明